
症状筋肉が伸びにくく触ると硬いしこりを感じる
骨化性筋炎(Myositis Ossificans)は、スポーツや転倒などによる強い打撲や肉離れの後に発生しやすい疾患です。損傷した筋肉内に血腫ができ、その血腫が時間経過とともに骨のように硬化してしまう状態を指します。
特にサッカー、ラグビー、バスケットボールなどのコンタクトスポーツや、野球、陸上などストップ動作の多い競技に多くみられます。
骨化性筋炎は受傷後すぐではなく、数日〜数週間経ってから症状が強くなることが特徴です。
代表的な症状は、局所の痛み、触ると硬いしこりを感じる、腫れや熱感、関節の動きが悪い、力が入りにくい、筋肉が伸びにくい、競技動作で痛むなどがあります。悪化すると筋肉で柔らかいはずが骨のような硬さを触知する場合もあります。
原因と病態筋肉内に石灰化(骨化)が起こる
なぜ柔らかい筋肉が骨のように骨化してしまうのか。その大きな要因は筋損傷+血腫形成です。
① 強い外力で筋繊維が損傷
② 出血と炎症が発生
③ 血腫が筋内に残存
④ 血腫内で骨芽細胞が増殖
⑤ 石灰化 → 骨化

本来であれば血腫は自然に吸収されますが、炎症が長引いたり、早期に強い刺激が加わることで血腫が異所性骨化へと進行します。
特に悪化させる行為として、
①強い揉みほぐし
②受傷直後の温熱
③過度なストレッチ
④早期復帰
⑤アイシング不足
が知られています。
その中でも①の「強い揉みほぐし」が日常診療でよく見受けられます。肉離れをして他の整骨院(接骨院)でエコーで患部の状態を確認せず、マッサージを受けてしまったのが原因として、筋肉内にできた血腫が異所性骨化へと進行してしまいます。
治療と予防石灰を早期に吸収させて筋肉を正常化させる
発症からの経過で見える所見も変化します。
受傷〜2週間:炎症・腫れ・痛み
2〜6週間:石灰化が進行
6〜12週間:骨化成熟
3〜6ヶ月:安定・吸収・成熟
レントゲン・エコー・CTで確認されることもあり、早期のスポーツ現場ではエコー評価が非常に有効です。
◎ 急性期(0〜2週間)
目標:炎症と血腫拡大を抑える
RICE処置(圧迫、アイシング、安静、揉まない・温めない)、ストレッチ禁止
◎ 亜急性期(2〜8週間)
目標:可動域と筋機能の回復
軽度の可動域訓練(アイシング併用)、血流循環改善、正しい動作学習(この時期も強刺激は禁忌)
◎ 慢性期(2〜6ヶ月)
目標:競技復帰
柔軟性改善、筋力強化、体幹・フォーム調整、競技動作復帰プログラム
※骨化が成熟して可動域制限を残す場合は、稀に外科的切除が適応となることもありますので注意してリハビリを行なっていきます。
当院での治療方法では、特殊電気治療機器である微弱電流治療機器(エレサス)を患部及び全身に通電して、自己免疫を向上(全身のターンオーバーを促進)させ、骨化性筋炎の吸収を促進させて早期復帰を実現させます。
このように筋肉を痛めて(肉離れなど)痛みが引かない場合や、痛みが悪化している場合には、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。
施術事例右大腿四頭筋(中間広筋)骨化性筋炎
1ヶ月前、バスケットボールの試合中に相手選手の膝が右の太ももに強打(モモカン)し受傷されました。他の接骨院に受診してマッサージ等の治療を受けていたが痛みはマシになっているが、ツッパリ感が抜けないため来院されました。
エコー検査にて、中間広筋の筋肉内に石灰像(骨化)を認め、大腿骨部の輪郭の途絶も確認できました。

当院受診4日後から18日後までのエコー画像です。石灰像が扁平化してきている事がわかります。
この時点では、圧痛・ストレッチ痛・しゃがみ込みでの痛みがみられています。

当院受診22日後から57日後までのエコー画像です。
石灰像は順調に吸収されてきていることが見てわかります。
この時期から痛みの程度に応じて徐々に運動を開始しました。
バスケットボールには受診から3.5週間後から復帰しています。

当院受診93日後から122日後までのエコー画像です。
完璧に石灰像は吸収され、治療終了としました。

画像上では石灰像は確認できていても、触れた時のシコリ感や痛みの程度に応じて運動開始時期を見極め、積極的に運動を介入することによって治療しながらスポーツ復帰が可能になります。