症状朝の第1歩目と歩き始めが特に痛い

全体重のかかっている足には、スポーツや歩行などで、いろいろな部位に痛みが生じます。陸上競技やサッカー、バスケットボールなどのランニングやジャンプ動作の多いスポーツにおいて、慢性障害が多く発生します。
足の慢性障害には、種子骨障害、外脛骨障害、足底腱膜炎、踵骨骨端症(シーバー病)、踵骨滑液包炎などがあり、それぞれ特定の部位に痛みを訴えます。
足底腱膜炎は、スポーツ選手だけでなく、運動習慣のない中高年層でも生じる疾患であり、踵の痛みの原因疾患でも最も多いとされています。足底腱膜炎の初期症状として朝の第1歩目と、安静後の歩き始めの踵に痛みが生じるかを聴取する。

原因と病態踵の裏に骨の棘(とげ)ができる

足は、足根骨と中足骨が靭帯で結ばれ、縦横のアーチを形成し、筋肉や腱がこれらを補強しています。 スポーツをすることによって足に衝撃が続くと、足の骨や軟骨、靭帯や腱に障害をきたし痛みが発生します。足の使い過ぎ以外に、足の柔軟性低下筋力不足扁平足などの障害の発生しやすい足の形、不適切な靴、悪い路面での練習などが発症の背景になっています。
足底腱膜は、踵骨結節付着部から中足骨の頭部まで存在する腱組織で強く、線維質な足底の層を構成する組織です。それは皮下に存在し、踵から前足部に伸びています。

この組織は足部近位(足首側)では垂直方向の線維組織で、遠位(つま先側)では水平方向の線維組織で皮膚とつながっています。この2つの長軸方向に走行する筋膜(線維組織)が足底腱膜に付着しています。
足底腱膜は、足が体重を支えているときに張力を受ける組織として機能することによって、足のアーチの支持に関与しています。

足底腱膜はウィンドラスメカニズム(巻き上げ機メカニズム)に関連することが知られています。巻き上げ機メカニズムは、中足趾節関節(MTP関節)が伸展することにより、足底腱膜が緊張して足のアーチが上昇する現象です。

足底腱膜炎は、足部に障害を有する患者の11〜15%を占めると報告されていて、日常の診療において遭遇する頻度の高い疾患でもあります。
足底腱膜炎が発症し慢性化してきてしまうと、足底腱膜が踵骨結節付着部に持続牽引をしてしまうことによって、骨棘を形成させてしまします。この骨棘ができてしまうと、立位時に踵をつくと激痛が生じます。

足底腱膜炎症のリスク因子

治療と予防足底板療法とリハビリ(ストレッチ)が大切

足底腱膜炎の治療は保存療法と手術療法に大別されるが、保存療法により80〜90%の例で症状が改善することから、保存療法が治療の第1選択となります。
そのなかでも安静、リハビリ、運動療法、足底板療法は患者への侵襲が少なく、足底腱膜炎に対する保存療法として選択されることが多いです。また、これらの治療はひとつひとつ単独で行うより、組合わせて行うことでより良好な治療効果が期待できるとされています。
①足部および下腿筋のストレッチング
②スポーツ後のアイシングの実施
③足にフィットしたシューズの選択
④足底板療法の使用
などで予防をすることが大切です。


朝起きて歩く第1歩、または歩きはじめの時に踵が痛い方は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。