症状首の痛み・だるさがあり、腕が痺れる

電車やバスでつり革につかまる時や、物干し竿に洗濯物を干す動作で上肢の痺れや肩や腕、肩甲骨周囲の痛みが生じます。
近年では20代前半の女性や、デスクワーク関係のお仕事をされている方々にものすごく多い疾患となっています。

前腕尺側と手の小指側に沿ってうずくような、時には刺すような痛み、痺れ感、ビリビリ感などの感覚障害に加え、手の握力低下と細かい動作がしにくいなどの運動麻痺の症状が出たりする事もあります。


手指の運動障害や握力低下のある例では、手内筋の萎縮により手の甲の骨の間がへこみ、手のひらの小指側のもりあがり(小指球筋)が痩せてきます。

鎖骨と頸の間を通る鎖骨下動脈が圧迫されると、上肢に行き渡る血行が悪くなり腕がしんどくなり、手が白くなります。鎖骨下静脈が圧迫されると、手・腕は静脈血の戻りが悪くなり青紫色になります。

原因と病態首で神経障害や血流障害が起こっている

胸郭出口症候群は神経障害と血流障害に基づく上肢痛、上肢の痺れ、頸肩腕痛を生じる疾患の一つです。

上肢やその付け根の肩甲帯の運動や感覚を支配する腕神経叢と鎖骨下動脈は

①前斜角筋と中斜角筋の間(斜角筋症候群

②鎖骨と第1肋骨の間の肋鎖間隙(肋鎖症候群

③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方を走行する(小胸筋症候群過外転症候群))

それぞれの部位で絞めつけられたり、圧迫されたりする可能性があります。

なで肩頸長の女性筋肉質の男性に起こることがしばしばあります。

毎日さりげなく動かしている体ですが、人そのものが持っている各関節の最大可動域まで達していません。なので関節が硬くなるのは、筋肉が硬くなるのがです。このことを筋tightness(タイトネス)と言います。
この筋tightnessを改善しない限り、症状は改善できません。

治療と予防首・肩周りをほぐして、肩甲骨の動きを良くするのが大切

最適な治療法は、普段からの姿勢を見直すことと、適度な運動習慣を身に付けることです。

胸郭出口症候群は首や肩、肩甲骨周囲の筋肉が硬くなり起こりやすい疾患なので、日々首や肩を回すことが大切になります。

症状を悪化原因となす上肢を挙上した位置での仕事や、重量物を持ち上げるような運動や労働、リュックサックで重いものを担ぐようなことはできる限り避けましょう。

症状が軽いときは、上肢や首のつけ根の肩甲帯を吊り上げている僧帽筋肩甲挙筋の機能訓練を行いましょう。
安静時も肩を少しすくめたような肢位をとることも効果的です。

肩甲帯が下がり、なで肩傾向にある方には、肩甲帯を挙上させる装具(鎖骨バンド)が用いられ、姿勢矯正を行う場合があります。

当院では、肩周りの筋肉がこわばっている場合は頸椎周囲のマッサージや電気療法、温熱療法も並行して行い、再発しないように定期的な治療や姿勢改善を目的とした運動療法を行います。

首の痛みやだるさ、痺れでお悩みの方は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。