症状物を持ったり、握ったりすると肘の外側が痛い

物をつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作などをすると、肘の外側から前腕にかけて運動時に痛みが出現します。多くの場合は安静時の痛みはありませんが、肘の外側(上腕骨外側上顆)を押すと痛みが強くなります。

原因と病態短橈手根伸筋の付着部で炎症が起こっている

肘には手指と手関節を動かす筋肉が付いており、手指や手関節を動かすと、筋肉が付いている肘に引っ張り応力が働きます。
手関節を下に曲げる(掌屈)筋肉は肘の内側(内側上顆)に付き、手指を伸ばしたり手関節を上に曲げる(背屈)筋肉は肘の外側(外側上顆)に付いています。この2つの部位は常にストレスがかかっているので、加齢と共に筋肉が付いている周りの筋肉や腱が脆くなっていきます。この状態で日常生活上、手を酷使しているとこの部分に炎症が起こります。
好発年齢は40歳代の中年以降の男女共に発症します。特に、テニス愛好家に生じやすいので「テニス肘」と呼ばれていますが、日常生活動作でも起こしますし、ゴルフなどのスポーツをされる方にも多い疾患です。一般的に前腕の伸筋群(短橈側手根伸筋)の起始部が上腕骨外側上顆で障害されて生じると考えられています。 この短橈側手根伸筋は手関節を上に曲げる(背屈)働きをしています。

①長橈側手根伸筋:手関節を背屈する働きをします。
②短橈側手根伸筋:同上
③総指伸筋   :手指を伸展(伸ばす)する働きをします。

上腕骨外側上顆炎が完治せず、放置しておくと難治性となり、「腕橈関節滑膜ひだ障害」に移行してしまう場合がありますので注意が必要です。

治療と予防安静が第一で、炎症を治めることが重要

治療は第一に局所の安静が必要です。前腕伸筋群の筋肉を緩めるためマッサージを行い、炎症抑制のためアイシング(15分〜20分)や湿布を貼るのも効果的です。症状(痛み)が強い場合は、微弱電流治療器(エレサス)にて痛みを緩和させ、前腕伸筋群のストレッチを日常生活で行っていただきます。




症状悪化や再発予防のため、エルボーバンド(テニス肘用バンド)を処方し普段から着用していただきます。


このような治療を約3ヶ月行なっていても症状の寛解がない場合は、連携している整形外科へ紹介し、ステロイド注射を受けていただくこともあります。

肘の外側が痛くなってしまった方は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。