症状腰が痛くて姿勢が正せない

腸腰筋症候群は、股関節前面や鼠径部(そけいぶ)に痛みを訴える場合があります。足の付け根(股関節の前)が痛いと訴える患者さんが多くみられます。鼠径部を押すと痛みが誘発されます。また、仰向けに寝て股関節を屈曲(曲げる動き)で腰に痛みが出るのが特徴です。腰の筋肉を押しても腰に痛みが出ない場合もあります。また長時間座ったあとに立ち上がる瞬間に腰が痛み、姿勢を正すことができなくなり、歩行も困難になる場合もあります。うつ伏せで寝た状態で、膝を曲げて踵をお尻につけるようにした場合でも腰に痛みが出ることもあります。
また、太もも前側にかけて突っ張るような違和感を感じることもあり、大腿直筋や腸腰筋が過緊張している場合に感じやすいです。特に運動後の筋肉の張りを訴える人が多いです。筋肉疲労だけでなく神経圧迫の前兆の場合もあるため鑑別が必要となります。

原因と病態腸腰筋が原因で骨盤が前に倒れすぎて反り腰になっている

腸腰筋は、2つの筋肉から成り立っています。「大腰筋」と「腸骨筋」の2つの総称が腸腰筋となっています。
大腰筋は、第12胸椎から第5腰椎腰椎の横突起から大腿骨の小転子に付いています。
腸骨筋は、腸骨窩から大腿骨の小転子に付いています。
腸腰筋は、股関節を屈曲・外旋(あぐらの肢位)にさせる作用があり、また骨盤を前傾(前に倒す)させ、腰椎の前弯曲を維持します。

スポーツでは、オーバーユース(特に陸上競技やランニング、サッカー、バスケなど)を行っている選手に多く発生します。
骨盤前傾位、いわゆる「反り腰の方に多く発生します。腰痛(腰椎椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症成長期腰椎分離症など)の原因になる一番の要因です。
車の運転を長くされる方やデスクワーク関係のお仕事をしていて、長時間椅子に座っていることによって腸腰筋が短縮して硬くなり、負担が積み重なった結果、腰に痛みが発生します。
それ以外にも、腸腰筋内に悪性腫瘍ができて痛みが出る場合もあるので注意が必要です。

治療と予防腸腰筋を緩ませ骨盤後傾位になるようにエクササイズを行う

腸腰筋症候群の治療は、一般的に腸腰筋のストレッチ指導、骨盤・股関節のアライメント調整(手技療法)、体幹トレーニングの指導、超音波やハイボルテージによる物理療法などが行われています。
腸腰筋はお腹の奥底にある筋肉です。お腹には内臓などもあるため腸腰筋に直接触れることができません。
ですが、当院に導入している微弱電流治療器(エレサス)は、深部にある筋肉も微弱電流によって和らげる事ができます。エレサス通電を1分程するだけでも痛みはだいぶ和らぎます。また骨盤を後傾することも簡易になり姿勢も良くなる場合もあります。

なので一番のアプローチ方法は、以下の写真のように股関節を伸展させ(反った状態)、膝を曲げることによって腸腰筋が伸びてきます。最低20秒は行います。

骨盤を後傾位にするためには腸腰筋を緩めるだけでなくエクササイズも必要です。骨盤を後傾位にする筋肉は主に2つあり、下腹部のインナーマッスルと太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)を強化することが重要です。これらが骨盤後傾位を維持するために必要な筋肉です。
骨盤が前傾(反り腰)して起こり得る腰痛疾患は多く存在します。反り腰でお悩みの方や腰痛持ちの方はお早めの改善をお勧めします。

腰痛がある場合は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。