症状動くと腰が痛い、下肢が痺れる

腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の退行性変化の中で生じる代表的な腰・下肢痛を引き起こす疾患です。主な症状は、腰や殿部が痛みがあり、下肢に痺れや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなります。
急性期で痛みが強い場合には、自然に痛みが出にくいように背骨が横に曲がる姿勢(疼痛性側弯)をとります。
そのため身動きがとりにくくなり、重いものをもったりすると痛みが強くなることがあります。

原因と病態線維輪の後方が断裂し、髄核が逸脱して神経を圧迫する

椎間板は線維輪と髄核でできていて、背骨をつなぐクッションの役目をしています。
腰椎椎間板ヘルニアとは、髄核を取り囲んでいる線維輪の後方部分が断裂し、加齢やオーバーユースなどにより変性した髄核が断裂部から後方に逸脱することにより、神経根、馬尾神経が圧迫されて発症する疾患です。
悪い姿勢での動作や作業、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。
腰椎椎間板ヘルニアの発生頻度についての男女比は約2〜3:1で男性に多いとされています。好発年齢は20~40歳代、好発高位は第4腰椎と第5腰椎の間、第5腰椎と仙骨の間が多いとされています。
環境因子としての職業については、重労働者、職業ドライバー、金属・機械業労働者での発生頻度が高いことが報告されています。

腰椎椎間板ヘルニアの形態的分類は次の画像になります。

腰椎椎間板ヘルニアの分類には、「脱出型」「突出型」「脱出型」「遊離脱出型」の4つのパターンがあります。これらは整形外科でのMRI画像診断によって区別することができます。
この分類によって、手術をせずに様子をみるか、手術をした方がいいのかの判断材料になります。

また、腰椎椎間板ヘルニアの診断基準は次の表になります。

治療と予防基本的に保存療法が有効

痛みが強い時期には、安静を心がけ、腰部コルセットを着用します。
また、急性期の痛みに対して微弱電流(エレサス)を行い、次いで痛みに応じてハイボルテージ治療を行いながら痛みを和らげていきます。
痛みが軽減していくと同時にマッサージやストレッチ、可動域訓練を行います。痛みの軽減がみられ、日常生活に支障が無くなってきた時に、運動療法に移行します。
運動療法を行うことにより、再発予防を心掛けることが最も重要です。
近年、腰椎椎間板ヘルニアの多くは自然縮小することが明らかになってきていて、保存療法で良好な長期成績の報告が数多くなってきています。手術適応になるケースは、明らかな麻痺症状がある場合や強い疼痛が長期間持続し、日常生活動作に著しい障害をきたす場合などに限定されてきています。
治療期間は平均6週間〜3ヶ月とされています。
保存療法と手術療法の10年後の治療成績は、そこまで大差がないとの報告もされています。

腰椎椎間板ヘルニアの症状があったり、診断をされているが、リハビリをしていても痛みが良くならない方は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。