症状足を捻って外くるぶしが痛くて腫れている

スポーツ中に足を捻ったり、階段を下っている際に踏み外して足を捻ったりした時に、足首の外側(外くるぶし)が痛くなります。はじめはただの捻挫かな?と思う時もありますが、痛みが強く急激に腫れてきます。
受傷直後は足をつくのもできなくなることもあります。

原因と病態靭帯の付着部である外くるぶしの骨(腓骨)の先が折れる

腓骨は下腿にある2本のうちの外側にある骨です。その先端には足首を内側に捻って捻挫をしたときに損傷することの多い「前距腓靭帯」がついています。 前距腓靭帯に引っ張られるような形で腓骨の遠位端(腓骨の先端)が折れてしまいます。

捻挫か骨折かの判断に当院ではエコー検査を行なっています。エコー検査で骨折の判断が可能になります。
左のエコー写真は「腓骨遠位端骨折」で、右のエコー写真は「前距腓靭帯損傷」を描出したものです。


腓骨遠位端骨折は、スポーツから日常生活でも起こり得る疾患の1つです。果部骨折は膝から下に起こる骨折のうち最も発生頻度が高い怪我です。
骨折タイプはWeber分類を餅入り、3タイプに分けられます。
Type A:靭帯結合部より末梢での腓骨骨折である。
Type B:結合部での骨折である。
Type C:結合部より中枢での骨折で、この型は不安定性が著しく予後が悪い。

関節内骨折をきたす場合が多く、正確な整復がなされないと将来的に「変形性足関節症」へと進行する場合があります。
足関節に大きな外力が加わった際に骨折が生じ、下腿もしくは足部のどちらかが固定された状態で、下腿と足の間に捻転力や回旋力が加わって発生します。

子どもには上の図のように「骨端線」と呼ばれる成長軟骨があります。子どもの腓骨遠位端骨折はその骨端線よりもさらに先で骨折が生じます。
子どもの骨は大人と比べて柔らかく、強靭な靭帯によって骨を剥がされてしまいます。大人は逆に骨がしっかりしているので、靭帯が切れてしまうケースが多いです。中高年になると骨が貧弱になってくるので骨折するリスクが高くなる傾向にあります。

治療と予防ギプス固定5週間行いリハビリを行う

脛骨と腓骨の間に離開が認められず、骨折部の骨片の転位が2mm以内の場合は保存的治療が適応されます。
ギプス固定を4〜5週間、ギプスシャーレ固定を1週間行います。
ただし、受傷後1週間以内に再度整形外科でレントゲン検査をして頂き頂き、骨折部の確認を行います。ギプス内で血腫などにより骨折部に転位が生じていないかどうかを確認します。
ギプス着用時は、骨折部が見えるようにギプスに穴を開けて、LIPUS(超音波骨折治療器)を20分間行います。LIPUSは骨癒合期間を40%短縮させるため、できる限り当てることをお勧めします。
ギプス除去後は、下腿の筋力回復、足首や足趾の機能改善・可動域改善のためリハビリテーション(運動療法)を行います。
リハビリテーションの期間は1ヶ月半から2ヶ月ほど行います。左右の筋力の差や、骨折をした側の足の違和感がなくなればリハビリ終了となります。
スポーツ選手に関しては、元のレベルまで活動性を上げていくのでトレーニングも追加で行います。

足を捻ってしまい、外くるぶしが腫れ上がって痛みが強い方は腓骨遠位端骨折が疑われますので、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。

施術事例右腓骨遠位端骨折

土曜日の夕方、サッカーの指導中にシュートを蹴った際に右足を捻り受傷されました。直後に救急で病院へ受診しましたが内科医の医師に骨折と言われ、簡易固定(シーネ)を受けましたが、痛みがあったため当院へ来られました。

救急病院で撮影したレントゲン画像が中ってので、エコー検査を実施しました。
腓骨遠位端部の裂離骨折像が確認できました。

連携している整形外科に紹介し、レントゲン撮影をしたところ、腓骨遠位端部の裂離骨折が確認できました。

固定は取り外しのきくギプスサンド固定を行いました。この固定を4週間行いました。

LIPUSを週3回当てに来てもらいました。

受傷から1ヶ月のレントゲン写真になります。
骨折部の骨を繋ぐ仮骨が確認できました。
この時点でギプスを除去し、リハビリを開始しました。

リハビリは1ヶ月半行いました。
競技がサッカーであったため、ターンやジャンプ動作などを行なっても痛みや違和感がないレベルまで行い、リハビリは終了となりました。

このように、早期固定・早期施術がうまくいくと最短の日程でスポーツ復帰が可能となります。