症状足の裏が平らになり、内くるぶしの下が痛くなる
歩き始めの時期に、足の裏が平べったいことにご家族が気づき、心配になって病院や接骨院(整骨院)に受診されます。立って体重をかけたときには土踏まずはなくなっていますが、体重をかけない状態では土踏まずができています。この状態では足に痛みは生じません。転びやすいと感じることはありますが、歩き始めの時期は転びやすいもので、扁平足が原因ではないので、安心してもらい大丈夫です。
大人になってもそのまま残っているタイプの扁平足では、痛みはあまりありません。これに対して中年以降に発症する扁平足では、内くるぶしの下が腫れて痛みが生じます。
初期には足の扁平化は目立ちませんが、月日が経つにつれてに変形が進行します。爪先立ちがしにくくなり、さらに進行すれば足が硬くなって歩行が障害されます。
原因と病態女性に多く、後脛骨筋が機能せず回内扁平足を呈す
足にはアーチ構造があり、効率よく体重を支えています。内くるぶしの下に、縦アーチ(土踏まず)をつり上げる働きをする後脛骨筋の腱が通っています。後脛骨筋腱は足の舟状骨に付着しています。
幼児期の扁平足では関節の周りの靭帯がゆるみ、踵が回内(外を向いて)してアーチが潰れる(回内扁平足)ようになります。
年齢を重ねる毎に腱の変性が起こり、体重の負荷によってこの腱が断裂すれば縦アーチは低下します。成人期の扁平足は女性に多く発生します。また、出産後の女性は女性特有のホルモンである「リラキシン」作用により、関節や靭帯が緩み、その緩んだ足に体重が乗るために扁平足になってしまう事が多々あります。
治療と予防足趾エクササイズと足底板療法が有効
小児のほとんどの場合、成長に伴って自然にアーチが形成されるので、裸足の生活を心掛けましょう。保育園で裸足になっているのは、足の機能を十分に使い、足の裏にかかる負担や刺激を伝えるためです。また、足趾を使うことで足の裏の筋肉を鍛えることが大切です。つま先立ちや足の外側縁で歩く練習、鼻緒のある履物も効果があります。少し成長すれば、足趾じゃんけんをして遊ぶようにします。
扁平足の予防には、適正体重を保つことが大切です。また、アキレス腱が硬くなっている場合が多いので、アキレス腱ストッレッチを行います。
アーチの低下が明らかな場合は、足底板療法を行います。足の形を良い状態に保つように足底板療法を行うことによって疼痛は緩和されます。
出産後の女性は、特に足の構造が崩れ扁平足に移行するケースが多いので、足底板療法や自身に合ったインソール作成をオススメします。
扁平足があって内くるぶしの下が痛くなったり、足が疲れやすい方は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。