症状第1関節が変形して曲げ伸ばしすると痛い
手指の人差し指(以下、示指)から小指の遠位指節間関節(以下、DIP関節)が変形する疾患をへバーデン結節といいます。近位指節間関節(PIP関節)で起こるものはブシャール結節といいます。
変形と共に炎症を起こしている間は、物を持ったり摘んだりするだけでも痛みが生じます。DIP関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟んで左右2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。
いろいろな程度の変形がありますが、全ての人が強い変形になるとは限りません。また、へバーデン結節は誰にでも起こり得る疾患ですが、発症時期には個人差があります。
例えば、仕事が手作業の方、手芸が趣味の方、早期閉経の女性で女性ホルモンが低下している方など、いろいろ原因があります。
示指から小指にかけてDIP関節が赤く腫れたり、曲がったりします。時に痛みを伴うこともあります。母指IP関節にもみられることもあります。 DIP関節の動きも悪くなり、痛みのために強く握ることが困難になります。 時にDIP関節の近くに水ぶくれのような透き通ったでっぱりができることがあります。これをミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼びます。
原因と病態手を良く使う人に起こりやすい
一般に40歳代以降の女性に多く発生します。手を良く使う人にはなりやすい傾向があります。遺伝性は証明されてはいませんが、母や祖母がヘバーデン結節になっている人は、体質が似ていることを考慮して、指先に負担をかけないように注意する必要があります。ヘバーデン結節は誰でも起こる疾患です。骨の変形が出る時期や程度には個人差があります。
DIP関節の所見は、レントゲン所見や手術所見から見ても変形性関節症です。PIP関節に生じる類似疾患にブシャール結節があります。関節リウマチとは異なります。
治療と予防患部の安静のために固定が有効
治療は、まず局所の安静を目的にテーピングや装具固定などを行います。1〜2週間のテーピング療法で約60%の方に痛みの軽減が認められると報告されています。症状の強い方には、夜間装具を装着していただく場合があります。
DIP関節に痛みがある場合は安静を保つことが大切です。痛くても使わなくてはならないときは、テーピングや装具固定がおすすめです。普段の生活でも、指先に過度な負担がかからないように注意しましょう。
※女性ホルモン(エストロゲン)が低下してへバーデン結節を発症していると考えられる場合には、エクオールサプリメントの服用をおすすめする場合もあります。更年期の日本人女性がエクオールを体内で生産できる割合は約40%と言われています。エクオールは薬局などで購入することができます。
このように、手指の第1関節が変形してきて痛みがある場合は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。