症状急に腰に激痛が走る
「ぎっくり腰」は、Hexenschuss(魔女の一撃)などと呼ばれ、一般に突然の激烈な腰痛のために身動きがとれない状態を指します。
「ぎっくり腰」の定義は、急性に発症した腰殿部領域の疼痛のために身動きがとれなくなった状態とし、主に動作時痛で下肢症状はないか、あっても大腿部までの軽度なもので、神経学的異常が認められないものとされています。
原因と病態重いものを持ち上げる、腰を捻る、原因は様々
ぎっくり腰は、何か物を持ち上げようとしたとき、腰を捻るなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。動き始めた瞬間、くしゃみをした時、椅子から立ち上がろうとした時のケースが多いと感じます。
痛みの原因はさまざまで、腰の関節や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかって怪我をしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉や腱、靱帯など軟部組織の損傷などが多いと考えられます。
しかし、下肢に痛みや痺れがあったり、力が入らないなどの症状があったりするときには腰椎椎間板ヘルニアや中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの疾患の可能性もあります。
さらに、がんが転移して弱くなった背骨の骨折(病的骨折)や、ばい菌による背骨や軟骨(椎間板)の化膿など重大な原因が潜んでいることも時にあります。
通常ではない強い腰痛のときは安静にしていることも大切ですが、接骨院や整形外科に受診して正しい診断を受け、万が一にも重大な原因に対して手遅れにならないように注意する必要があります。
治療と予防コルセットを巻いて腹圧を高める、適度な運動をする
痛みが強い時期には、安静を心がけ、腹圧を高め腰椎を安定させる目的で腰部コルセットを着用します。
当院では、急性期の場合は微弱電流治療(エレサス)を行い、痛みを和らげます。痛みが軽減していくと同時に高周波治療器(ハイボルテージ・EMS)も追加し、更にマッサージやストレッチ、可動域訓練を行います。痛みの軽減がみられ、日常生活に支障が無くなってきた時に、運動療法に移行します。運動療法では、まずはじめに腹部のインナーマッスルをトレーニングした後、アウターマッスルに移行していきます。
頸椎や腰椎の疾患(痛み)が多い理由として、関節が最も良く動く椎間板(関節も含む)に負担がかかっているからです。胸椎の可動範囲が狭いからこそ頸椎と腰椎に負担が掛かります。その負担を軽減させるためには胸椎の可動範囲を広げることが大切です。可動範囲を広げた上で運動療法を行いながら、再発予防を心掛けることが重要です。
急に腰が痛くなり動けなくなってしまった方は、大東市住道にある当院へ一度ご来院ください。